はじめに
各フォーマットで活躍するバーンデッキは、≪稲妻≫を始めとする火力で対戦相手のライフを直接攻める。勝利へ向かって一直線という姿勢が大変クールだが、統率者戦ではどうだろうか。初期ライフ40点×3人=120点を削るには≪稲妻≫が40枚必要だ。とても現実的とは思えない。では統率者戦では火力で勝ち切ることは難しいのだろうか。答えはNOだ。≪稲妻≫のような火力呪文を採用しなくても、何かのついでに火力を飛ばせる置物があればいい。筆者が「火力系アーティファクト」と呼んでいるカード群だ。
それらはインスタントやソーサリーを唱えたことに反応して火力を飛ばす。ドローして火力!打ち消して火力!どの色でも使える便利な置物だ。以下に代表的なものを4つ紹介しておく。
火力系アーティファクト
秘宝の護符この系統のものでは最軽量の2マナ。ウィザード呪文にも反応する。火力を飛ばすには「充電」が必要だが、どんなに大きな生物でも丸焼きにする力を秘めている。欠点は起動にマナが必要なこと、PWやプレイヤーにはダメージを与えられないことだ。
電招の塔
こちらも「充電」が必要なタイプ。3回唱えて3点火力が飛ばせる。繰り返し使える≪稲妻≫という点では≪業火のタイタン≫に近いものがある。ゲーム終盤ではプレイヤーに火力を飛ばしてライフを詰めるのに役立つ。欠点はダメージが3点固定なのでデカブツは焼けないこと。
歩哨の塔
自分のターン中に唱えられたインスタントorソーサリーに反応して火力を飛ばせる。1回目なら1点、2回目なら2点、3回目なら3点とダメージが増えていく。しかもこれは対戦相手が唱えた呪文もカウントするのだ。自分のターン中にガチャガチャ動くタイプのデッキだと凄まじい火力を叩き出すことがある。欠点は対戦相手のターン中に唱えた呪文はノーカウントだということ。
スフィンクスの骨の杖
火力系アーティファクトの最高峰。≪歩哨の塔≫と違いターンを跨いでも、また相手のターンでもカウントが止まらない。破壊されなければ戦場を更地にできるだろう。欠点はコストも最高峰だということ。
相性の良いカード
①・・・繰り返し唱える
インスタントorソーサリーを繰り返し唱えることができれば安定して火力を飛ばせる。バイバック呪文がおすすめだ。代表的な青のカードはこちら。
②・・・数を増やす
火力系アーティファクトの数を増やせば飛ばせるダメージも大きくなる。先に紹介した4種のアーティファクトを全て採用してもいいが、≪ファイレクシアの変形者≫や≪彫り込み鋼≫などのコピー系置物で数を増やしてもいいだろう。また一気に数を増やせるこんな呪文も面白い。唱えている段階で火力が飛ぶ(あるいは充電する)のでお得だ。
③・・・①と②を同時に
インスタントorソーサリーを繰り返し唱えながら同時に火力系アーティファクトを増やしたいだって?そんな都合の良いカードがあるわけ……あった。例えばあなたが≪歩哨の塔≫を1つコントロールしているときに、≪塔≫を対象に≪身分詐称≫を唱えるとする。唱えた段階で火力が1点飛ぶ。≪塔≫は2つになる。その後≪身分詐称≫を適当な生物に「暗号化」する。その生物で殴ってダメージが通り≪身分詐称≫のコピーを唱える。対象はもちろん≪塔≫だ。唱えた段階で2点火力が2回飛ぶ。≪塔≫は3つになる。その後適当なドロー呪文でも唱えれば3点火力が3回飛ぶことになる。暗号化している生物が生き延びさえすれば、毎ターン≪身分詐称≫を唱えられるし、≪塔≫が増えまくって凄まじいダメージを叩き出すだろう。
おすすめ
火力系アーティファクトの中で個人的に一番おすすめなのが≪電招の塔≫だ。理由は3つ。
①軽い
≪求道者テゼレット≫が即死しないのは偉い。≪秘宝の護符≫より1マナ重いが、起動にマナを必要としない点が素晴らしい。
②プレイヤーに飛ばせる
初期ライフが40点だろうがダメージを受け続ければ人は死ぬ。プレイヤーに飛ばせる火力は勝ち手段になりうる。≪等時の王笏≫と≪劇的な逆転≫を用いたセプターコンボが決まると、無限マナにならずとも無限起動で対戦相手のライフを焼き尽くす。
③相手ターンに充電
相手ターンに動くことの多い青。打ち消しやその他インスタントに反応して充電してくれるのはありがたい。1マナ重い≪歩哨の塔≫は相手ターンには全く仕事しないのだ。