ものぶログ

永遠神ケフネトのデッキ構築(統率者)など

対象をとるX呪文とコスト減少カード

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はじめに

今回はマナ・コストにXを含み対象をとる呪文を唱えるに際し、コスト減少カードがどのような影響を及ぼすかを解説していく。具体例として≪撤廃≫と≪サファイアの大メダル≫を挙げる。

●撤廃
(X)(青)
インスタント
マナ総量がXである、土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
カードを1枚引く。


サファイアの大メダル
(2)
アーティファクト
あなたが唱える青の呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。


勘違い

自分が≪サファイアの大メダル≫をコントロールしているときに、≪撤廃≫を唱えるとする。

もし≪メダル≫が無ければマナ総量が1の≪太陽の指輪≫をバウンスするために必要な≪撤廃≫のコストは(1)(青)だ。一方で≪メダル≫があればコストは-1されるので必要なコストは(青)になる。そしてこれが≪撤廃≫を唱える時の最小コストだ。

ということは≪メダル≫をコントロールしているとき、好むと好まざるとに関わらず最小コストで唱える≪撤廃≫は次のようなテキストになってしまうのではないか。

(青)
インスタント
マナ総量が1である、土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
カードを1枚引く。

もしこれが正しければ、あなたが≪メダル≫をコントロールしているときは、マナ総量が0の≪魔力の墓所≫を対象に取ることができないのではないか?

…と私は思っていたのだが、この認識は間違っていた。

正しくは

そもそも「呪文を唱える」とはどのような手続きを踏むのだろうか?総合ルール601.2に沿って≪撤廃≫を唱えてみよう。

601.2a スタックへ

≪撤廃≫を元の領域(通常は手札)からスタックへと動かす。

601.2b Xの値を宣言

マナ総量が0の土地でないパーマネントを対象にしたいので、Xの値は0と宣言する。ここでマナ・コストは(0)(青)と決定される。

601.2c 対象を宣言

対戦相手がコントロールする≪魔力の墓所≫を対象にすると宣言する。

601.2f 総コストの決定

マナ・コスト(0)(青)にコストの加減を行う。
サファイアの大メダル≫が減少させるのは不特定マナのコストのみ。そしてコスト(0)が(0)未満になることは無いので、≪撤廃≫の総コストは(0)(青)つまり(青)と決定される。

601.2g マナを出す

土地などから(青)を出す。

601.2h 総コストの支払い

(青)を支払う。

601.2i 完了

≪撤廃≫を唱えるという行為は完了し、呪文は唱えられたことになる。呪文を唱えたとき…などといった誘発型能力はこの時点で誘発する。


まとめ

というわけで≪メダル≫をコントロールしていても≪撤廃≫のXの値に制約がかかるわけではない。安心して使おう。ちなみにこの≪撤廃≫というカードは大変便利なので、青を含むデッキならば採用を検討できるぞ。