ものぶログ

永遠神ケフネトのデッキ構築(統率者)など

コントロールを奪取せよ

はじめに

青は盤面に触れるのが苦手と言われているが、強力なパーマネント対策が与えられている。そう、コントロール奪取だ。戦場からパーマネントを奪うことで脅威を排除しつつ、こちらの戦力をアップさせる。まさに一石二鳥の技だ。

コントロール奪取手段はさまざまだが今回は≪永遠神ケフネト≫と相性の良いインスタント&ソーサリーを紹介していく。なお戦場から奪う呪文だけでなく、ライブラリーやスタックから奪うものも紹介する。

奪取カード(領域別)

戦場から

①露骨な窃盗

多人数戦だと(誰も脱落していなければ)3つのパーマネントが奪える呪文。土地も選べるのが偉い。被覆や呪禁持ちは対象にできないので注意。類似呪文の≪オリークの誘惑≫は卓によっては全く刺さらないので入れない方が無難。

≪ケフネト≫下で5マナで撃ち、マナ基盤を対戦相手から奪い、次のターンに確実に7マナで2発目を撃つというプレイングは覚えておきたい。≪巻物棚≫を使って毎ターンこれが撃てる体制が整うと投了してもらえることもある。

おすすめ度:★★★



②召し上げ

多人数戦向けのひどい呪文。青い人に追加ターンを与える恐ろしさを皆知っているので、大抵の場合「追加ターン1+好きなパーマネント3」を得ることになる。被覆や呪禁を持っていようがお構いなしに奪える。コントロール奪取部分は≪露骨な窃盗≫の上位互換。2マナ増えただけで追加ターンまでついてくるとか大盤振る舞いが過ぎる。

≪ケフネト≫下で7マナで唱えると大抵の場合は投了してもらえる。1回唱えれば勝ちと言われる呪文を2回も喰らうことになるからだ。 

おすすめ度:★★★



③集団強制

マナ拘束が強烈な青単専用呪文。クリーチャーのみならずプレインズウォーカーも奪えるのが売り。EDHにおける妨害系クリーチャー(≪溜め込み屋のアウフ≫など)はプレイヤー全体に影響を及ぼすものが多く、奪うことが除去として機能しない場合もある。一方でプレインズウォーカーは主人にのみ利益をもたらすものが多いので、奪うことが除去になりアドバンテージにつながりやすい。

6マナで唱えて1体奪えるのも実用的だが、マナが伸びた終盤はこれ1枚でゲームをひっくり返せるほどの力を持つ。マナが伸びやすいデッキや無限マナのコンボを仕込んでいるデッキにおすすめだ。≪ケフネト≫下で唱えると1体多く奪えてお得。

おすすめ度:★★



④慮外な押収

エネルギーを利用したカラデシュ産の呪文。クリーチャーのみならずアーティファクトも奪えるのが売り。5マナで4マナものが奪えるのはかなり効率が良い。先輩呪文の≪威圧≫が4マナの生物を奪うのに7マナも費やさなければならないのを見ればコスパの良さは明らかだ。

≪ケフネト≫下では合計8マナで8個のエネルギーを得るので、1回目はエネルギー消費ゼロで0マナ・アーティファクトを奪いつつ、2回目はエネルギー消費8で8マナの巨大生物を奪うというプレイングも可能だ。また≪ケフネト≫デッキに無理なく採用できる≪電招の塔≫も一緒に入れておくとエネルギーが増えて楽しい。

おすすめ度:★★



⑤威圧

マナを注ぐほど奪える範囲が広がる呪文。コスパでは前述の≪慮外な押収≫に負けるが、インスタントである点と理論上はどんなに重い生物でも奪える点が売りだ。≪ケフネト≫下だと3マナで2マナ以下の生物を奪えるので≪不忠の糸≫相当の働きをする。

おすすめ度:★



ライブラリーから

①袖の下

対戦相手のライブラリーから好きなクリーチャーをあなたのコントロール下で場に出せる。重くて強い生物を5マナで喚び出せるのでお得。≪希望の天使アヴァシン≫などが狙い目。割りたい置物があるときには≪再利用の賢者≫などを出そう。

≪ケフネト≫下で連続2回計8マナで唱える動きがヤバい。クリーチャー2枚で成立するコンボがあればそのまま勝つことができる。例えば≪鏡割りのキキジキ≫+≪士気溢れる徴集兵≫=無限トークンなど。EDHでよく見かける生物サーチカード≪歯と爪≫が双呪モードで9マナであることを考えると、1マナ安く済んでいるのでお得だ。

おすすめ度:★★★



②接収

アーティファクト版≪袖の下≫。アーティファクトの入っていないデッキはまずないので腐ることはない。≪金粉の水蓮≫や≪スランの発電機≫などでマナ加速してもいいし、≪巻物棚≫や≪記憶の壺≫で手札を入れ替えてもいい。

≪ケフネト≫下で連続2回計8マナで唱えると無限コンボにつなげられる場合もある。有名なのは≪玄武岩モノリス≫+≪ブライトハースの指輪≫=無限無色マナ・コンボだ。ただしコンボの始動に2マナ必要なので同一ターン内に10マナ用意しなければならず、さらに勝ち手段は別に確保しなければならないので結構大変だ。

おすすめ度:★★



③知識の搾取

インスタント&ソーサリー版≪袖の下≫。状況に応じて≪神の怒り≫や≪調和≫などに化けられる。柔軟性があるとはいえ≪袖の下≫より2マナも重い。費やしたマナのわりに仕事しないことも多いが、青が濃い卓では≪召し上げ≫に化けることも。

≪ケフネト≫下で連続2回計12マナで唱えて≪むかつき≫+≪天使の嗜み≫=無限ドローのコンボ(アドグレイス)を決められる場合もあるかもしれないが、さすがに重すぎるだろう。

おすすめ度:★



テレパスの才能

これは面白いカードだ。魔巧の達成は簡単なのでうまくいけば4マナとは思えない活躍をする。しかし活躍できるかどうかは相手次第で、他人の墓地を7枚肥して終わることも。(EDHにおいては墓地を肥やすと危険なデッキも多く存在することをお忘れなく。)博打の好きな人は入れよう。

おすすめ度:★



スタックから

①徴用

スタックにある呪文のコントロールを奪えるカードは限られているが、最も実用的なのがこれだろう。手札の損失が激しいとはいえ0マナで撃てる選択肢があるのは偉い。≪精霊龍、ウギン≫や超過した≪サイクロンの裂け目≫をパクるととても気持ちがいい。

おすすめ度:★★★
 


②霊気奪い

クリーチャー呪文もパクれるようになった≪徴用≫。生撃ちすると1マナ安いがピッチコストで撃つ選択肢が無くなってしまった。実用性でいうとかなり厳しい。

おすすめ度:★



ジェネラルを奪取せよ

ジェネラル(統率者)は何度でも蘇る。追放されようが破壊されようが「統率者税」を払えば繰り返し唱えることができる。この除去耐性、どうにかならないものか?

その問いに対する答えは「戦場に残したまま無力化する」ことだ。例えば≪ドライアドの歌≫や≪王冠泥棒、オーコ≫の+1能力がそうだ。そしてコントロール奪取も非常に有力な方法だ。

対戦相手は奪われたジェネラルを唱えることができない。なぜなら死んでいないから。奪われたものを取り返すために、自分のジェネラルに泣く泣く除去を撃つプレイヤーもいる。

専用の構築をしなければ輝かないジェネラルも多く存在し、奪うことがアドバンテージに直結しない場合もある。しかしジェネラルを奪えば対戦相手の足止めをすることができる。コントロール奪取呪文の対象に迷った時はとりあえず対戦相手のジェネラルを狙っておけばよい。



注意すべきカード

①家路

どの色でも(そして何度でも)使えるこのカードはコントロール奪取の天敵。特に土地のサーチに長けた緑の使い手に注意しよう。このカードの存在によりクリーチャーしか奪えない呪文はリスクを背負うことになる。



②グルールの魔除け

限られたデッキでしか使えないが、クリーチャー以外も奪い返されるので要注意。類似カードに≪刻印≫がある。


ルール

敗北時の処理

多人数戦におけるコントロール奪取に関してはルール上注意すべきことがある。たとえば次のような例だ。

あなたは≪慮外な押収≫で対戦相手Aさんの≪霊気貯蔵器≫のコントロールを得ており、かつ≪袖の下≫でAさんのライブラリーから≪潮吹きの暴君≫を出してコントロールしているとする。

この状況で
・あなたが敗北した場合
→ ≪霊気貯蔵器≫はAさんのコントロール下に戻り、≪潮吹きの暴君≫は追放される。

・Aさんが敗北した場合
→ ≪霊気貯蔵器≫も≪潮吹きの暴君≫もゲームから離れる。

このように、コントロールを得るといっても「コントロール移動」系の呪文や能力で得た場合と≪袖の下≫系で得た場合は、プレイヤー敗北時の処理の仕方が違う。だから≪袖の下≫系で得たものは特に記憶しておく必要がある。

またAさんが敗北するとAさんがオーナーであるオブジェクトは全てゲームから離れることになる。≪霊気貯蔵器≫と≪潮吹きの暴君≫を少しでも長く楽しみたいのなら、先にBさんやCさんを倒すという戦略も必要になってくるだろう。

このあたりのルールについて詳しく知りたい人は総合ルールの800.4aを読んでほしい。



統率者ダメージ

周知のように単一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを受けたプレイヤーはゲームに敗北するが、以下の点に注意。(M:TG wiki「統率者ダメージ」の項目より引用)

・統率者を誰がコントロールしているかは問わない。戦闘ダメージを与える時点でのコントローラーが異なっていても、同じ統率者からの統率者ダメージであればその値は累計される。

・自身の統率者が他のプレイヤーにコントロールされ、その統率者からの統率者ダメージによって敗北することも起こり得る。



まとめ

青の代表的な妨害手段といえば打ち消しを思い浮かべる人が多いだろう。だが打ち消しは決して強くはない。所詮は1対1交換。≪意志の力≫などは2対1交換をするので連打していればジリ貧になるのは明らかだ。

そこでコントロール奪取だ。邪魔なパーマネントを除去しつつ、こちらの戦力を増強してくれるので1対2交換ができる。

このようにして盤面を強化し、対戦相手がそちらへの対処に手こずっているうちに、あなたは手札でこっそりとコンボの準備を進めることができる。コントロール奪取がいわば「目くらまし」として機能するというわけだ。また、仮にコンボで勝てなかったとしても奪ったものを組み合わせて勝利を狙うのも面白い。

随分と長い記事になってしまったが、コントロール奪取は楽しい。≪永遠神ケフネト≫がいればさらに楽しい。周囲からのヘイトはMAXになるが、上手く捌いて勝利できた時の味は格別だ。